幸せのハト!? 15




万事屋が次に回覧板を回さなければならなかったのはなんと・・・・・
あの【ヘドロの森】の屁怒絽さん。

ということで
万事屋一行はどうやって渡しに行くかの作戦会議を始めた。

「確か前に、銀さんたちは通行人A作戦したんだよね?」
銀時「通行人A作戦?あぁ、新八がドジしやがったアレか」
新八「アレはどうしようもなかったんですよ!!ってかやっぱりはそのことも知ってるんだね」
「まぁねッ」

はグッと親指を立てた。
そんなことをするほど、は1人だけテンションが上がっていた。
だが、銀時・新八は部屋の窓が暗幕で閉められているんじゃないかと思うほどに暗い。
問題が問題だから仕方はないが・・・・・。

ちなみに、神楽はというと
「定春が今すぐに散歩に行きたいって行ってるアル」と言って、ものすごい早さで外へと逃走してしまっている。

銀時「また通行人A作戦で行くか。あん時はなんだかんだで生きて帰って来れたじゃねェーか。神楽の役をにやらせればいいだろ。」

自分の髪をクシャっとかきながら銀時は言った。

新八「そうですけど。あやうく危ない所でしたよ?」
「そうだよ。また失敗したらどうすんの?」

若者2人のブーイングにより銀時の案は否決された。

銀時「んじゃぁ。どうするってんだよ」
新八「そうですよねー」

2人は、肩を落とす。
しかし、は違った。

「んじゃぁさ。あえて普通に渡しに行ってみたら?」

「「はァ?」」

「だってさ、一応屁怒絽って性格はいい人?ってか天人なんだし。『回覧板でーす。』って言ったら。『あ、どうも』で終わりそうじゃん。」
銀時「アイツって良い奴なのか??俺ら危うく命落とすとこだったんだぞ?」
新八「でも、確かに植物とか虫とかかなり大事にしますよね。あの時もずっと『殺生はいけない』って言ってましたし」

「うぅーん・・・」と悩んだ結果。
複数の案の中から選ばれたのはこの案だった。


銀時「ここは、新人のの案に乗ってみるか」
新八「そうですね。の言うことだとなんか大丈夫な気がするし」
「おっ。じゃぁ決定?」

ということで、屁怒絽への回覧板回し作戦はの案に決定。
だが、問題はココからであった。

そう、誰が屁怒絽の所に行くかということ。

「ここは、大人の銀さんでしょ」
銀時「そういうのは子供の役目なの。ってことで新八で」
新八「っ!?い、嫌ですよ!!ってか前の作戦の時も僕だったじゃないですか!!」
銀時「確かにな。仕方ないなぁ。ってことでまだアイツの恐ろしさを知らないで」
「え、そこでまさかの僕!?」

やはり、ココが一番重要で一番やりたくない事のため言い合いになってしまった。
普通に平等なじゃんけんにすればいいのに。

「あ、その案頂き☆」
銀時「あ?お前何1人で言ってんだよ」
「いや、管理・・・・・・神の声を聞いたんだよ」
新八「いやいや、確実に今、神じゃない事言おうとしたよね!?」

新八からのツッコミを受けただが、なんとかそれをスルー。
管理・・・・・神の声の内容を話し始めた。

「ここは、平等にじゃんけんで!!それなら文句ないでしょ?」
新八「僕はいいですよ。じゃんけんなら」
銀時「仕方ねぇな。見てろよ?俺の運の強さを」

3人はアイコンタクトを取る。
そして、

「「「最初はグー!!じゃんけんポイ!!」」」

結果は・・・・・・

「嘘ォ。マジで???」

銀時パー。新八パー。グー。
よって屁怒絽の元へ向かう勇者は苓に決定。


勇者  は【ヘドロの森】に到着した。
後ろから視線を感じる。
は振り返ってみた。
そこには、天パーとメガネがいた。

新八「ってちょっと待ったァァァァ」
「何?」
銀時「何?じゃねぇーよ!!勝手に変なナレーション入れてんじゃねぇーよ」
「痛ェっ」

銀時は苓の頭をパシッと叩く。

「いやだって、いちいち後ろに銀さんと新八がいるって言うのめんどくさいと思って」
新八「それだけかよ!!ってかそんなにめんどくさくないからッ!!」
「あ痛ッ」

新八も同じくの頭をパシッと叩く。

この時3人は気づいては・・・・・・いや忘れていた。
自分達がいる場所が【ヘドロの森】の前だということに。

いまだに叩きあいをしている3人に
ついにあの人からの声が響いた。

屁怒絽「あ、坂田さんたちじゃないですか」
「「「・・・・・・・・・・・」」」

外からの声が聞こえていたのか【ヘドロの森】の中から屁怒絽が出てきた。
緑色の肌、2メートルを超える身長、そして鬼のような顔。
は思わず、ゴクリと唾を飲み込んだ。

屁怒絽「あれ?あなたは初めてお会いしますね」
「・・・・・・」
屁怒絽「僕は、ココで花屋をやってます。屁怒絽って言います。よろしくお願いします」

屁怒絽は軽く頭を下げた。

「・・・あ、僕は万事屋の って言います。よ、ヨロシク・・・・」

さすがに自己紹介をされたら、自分もしなければと思い。
は、少し震えながらもそう言った。

屁怒絽「それで、坂田さんたちはどうしたんですか?」
銀時「お、おう。いやさ、お前にちょっと用事があってな」
屁怒絽「僕に?」
銀時「おい、

銀時はを肘でつつきながら言った。

「あ、あの。回覧板です・・・・・」

回覧板を屁怒絽の前に出す。
屁怒絽は「そうですか」と言いながらソレを受け取った。

屁怒絽「わざわざ、スイマセン。あ、そうだ。さんは初めてですし上がっていきませんか?」

「「「(キ、キターーーーー!!!ココで絶対に断れなければ前回の二の舞だ!!)」」」

銀時「、お前言え」
「無理。新八頼んだ」
新八「僕だって無理だよッ!!ここはどう考えても銀さんでしょ!!」
銀時「俺にんなことできるわけないだろ!!」
「いやいやいや、銀さん最強だから!!ってことでがんばって!!」

2人にドンっと背中を押され銀時が一歩前に出された。
屁怒絽は何かあるのかとその様子を見ているだけ。

銀時「(覚えてろよ、コノヤロー!!)い、いやさ。俺達これから仕事なんだわ。ってことで帰っから」
屁怒絽「そうでしたか。お手をわずらわせてスイマセン」
銀時「お、おう。んじゃな」

銀時はそう言うとダッシュで駆けだした。

「「ちょ、銀さん置いて行くなよ!!(行かないでくださいよ!!)」」

続けて新八とも駆けだした。

こうして、今回の回覧板回しは無事に終わったのでした。

銀時「いや、どうみても無事じゃねぇーだろッ!!俺の寿命どんだけ減ったと思ってんだよ!!」

・・・・・・えっと、訂正、銀さんの寿命が縮むだけで済みました。


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