それぞれの道 02



「ですから、こうなるワケです。わかったかなー?」

ここは、ひとつしかないリゼンブールの学校。
リゼンブールは元々そこまで大きな町ではないため、子供も少ない。
そのため、歳が違っていても同じ教室で授業を受けるという風になっている。
ちなみに今は算数の時間、のはずなのだが・・・・・・・

エド「おっ、これは上手く書けたんじゃねぇーか?」
「エドってほんと絵下手だよな」
エド「悪かったな、下手で!!」

そういうとエドはそっぽを向いた。

「まぁ、書いた人が分かればいんじゃね?んでコレ誰?」
エド「ん?あれ」

エドは、黒板の前に立っている先生を指した。

「ぶっ、先生かよ。コレは鬼だろ」
エド「鬼でもあってるだろ?」
エド「たしかに」

エドがにやりと笑ったのに釣られ、もにやりと笑った。
すると、エドの隣から声がした。

アル「兄さん、。一応真面目にやろうよ」
「そうよー、でも一応じゃなくて、ちゃんとね」
「「「えっ!?」」」

アルに注意されたかと思うと
いつの間にか黒板の前にいたはずの先生が3人の後ろに立っていた。

「そしてそこーっ、寝るなーっ!」
ウインリィ・「「zzzzZZZ・・・・・」」

少し離れた場所では教科書を立てて机に頭を乗せ、寝ている2人がいた。



-----放課後-----

エド「んじゃ、後で俺達の家に集合な」

そう言うと、彼らは一旦家に帰っていった。


そしてこちら、家にて

早く行こーっ」
「分かったって、焦るなよって・・・・・ん?あれ?」
「どうしたの?」

何かに気づいたは家の扉を閉めると人影がある方を指した。

「あれウインリィのお母さんたちじゃね?」

がそう指しながら言った場所には、たしかにロックベル夫婦がいた。
遠出をするような格好であるのだが、楽しそうな雰囲気では無かった。
何か覚悟を決めたような、そんな雰囲気が漂っていた。

「あっ、ほんとうだ。どうしたんだろ?おっ出かけ〜♪って感じじゃないよね」
「だな。まぁ、いっか。行こうぜ」
「うん」

特に気にすることもせず、2人はエルリック家へと向かった。

アル「あっ。いらっしゃい」
「やほー。さっそく来たよー」
「ようっ!」

エルリック兄弟は待ちきれなかったらしく、家の中ではなく外で待っていた。

エド「あとはウィンリィだけだな」

確認をするようにエドがそう言うと

「あっ、来たよ」

が指さした方からウィンリィが走ってきていた。

ウインリィ「あれ?あたし最後?」
エド「そうだよ。っておまえまた泣いたのか?目赤いぞ」

異変に気づいたエドがウインリィの顔をのぞき込むとアルたちものぞき込んだ。

「ほんとうだ。怪我でもしたの?」
ウインリィ「ううん、違うの。さっき母さんと父さんがお医者様足りないからってイシュバールに行っちゃって、それで・・・・」

ソレを聞き、は顔を見合わせた。
お互いさっきの光景を思い出したのだろう。
イシュバールで今何が起きているのかは幼い彼らでも知っていた。
だから、ウインリィもただ単に離れるから泣いたのではなく、自分の前にもう2度と現れないのではないのかと思って泣いたのだろう。

「大丈夫だよ!!ウインリィのお母さんたちは絶対帰ってくるよ!!」
「そうだよ。だってあんなに腕のいいお医者さんなんだぜ?」

2人はウインリィに向けてそう言った。

ウインリィ「そうだよね。母さんたちは絶対帰ってくるよね」

「ありがとう」とウインリィは2人に笑いかけた。
たちも笑った。
エドたちは、ほっとしたとういうような顔をしていた。

エド「さてと、んじゃ今日は何やるか?」
ウインリィ「それじゃぁーね。・・・・・・」

彼らは次々に自分がやりたい遊びを提案し始めた。

この時兄妹は自分たちの言った言葉を後悔することに気づきはしなかった。

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