彼らが求める物・・・  2 

信頼はいったい人に何を感じさせるのか・・・・・・・



「はじめまして。・・・俺は ・・」
「俺は、 です」

本堂の前にいた謎の2人はそう名乗った。

未夢(以下未「んと、2人は双子なの?」
「はい。見ての通り双子です」
彷徨(以下彷「みわけつかねーな」
「よく言われる・・・・」
未「こっちがくんで、こっちがくんよね」
「「 !?    あははははっ!!  」」

は突然驚いたような顔をした後笑い出した。

未「えっ?えっ?あ、あたしなんか変なこと言った?」

未夢は彷徨に訪ねるように聞いた。
彷徨は、俺に聞くなとでも言うような顔をしている。

「いきなり笑い出してスイマセン・・・くっ・・くっ(笑い堪え中」
「今のは、未夢さんが、くんとくんって言ったからです・・・くっ・・(こちらも堪え中」

未夢と彷徨は ?マークを浮かべている。

、今のは説明不足・・・」
「あぁ。やっぱり?」
「さっき俺達双子だから見分けがつかねーって言ってましたよね?」
彷「あぁ、たしかにいったな」
「そのせいもあんですけどね・・・・・・こいつ女なんです」
未・彷「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」」
「あはははは。この驚かれる時って良いよな」
「毎度の事だけどな・・・・・・まぁあとは俺って言うせいもあるな」
未「ごめんねー。くんなんて呼んじゃって」
「いいですよ。謝らなくても。それにそのままくんで呼んでもいいですし」
未「ありがとーw。それじゃ くん・くんって呼ばせてもらうね」
彷「あのさ、一番聞きたかった事聞いてもいいか?」
「いいですよ。どうぞ・・・・」
彷「別に敬語なんて俺らに使わなくていいぞ。達はなんでここにいたんだ?」
「それは・・・・・」

の方を向き目を合わせた。
するとは首を横に振った。とても悲しげな表情で・・・・・
彷徨と未夢も目を合わし、どうしたのだろうか?と言うような顔をした。
その時!!

ルゥ(以下ル「まんまっ!ぱんぱっ!!」

なんとルゥが彷徨と未夢の所へとプカプカ浮きながら飛んできたのだ。
彷「なっ。ルゥ!!」

彷徨はルゥにかけよりルゥを抱いた。
彷徨と未夢は、見られてなかったらいいなぁーという事を考えながらの方を振り返った。
しかし、はバッチリ見ていたらしく、かなり驚いた顔をしてルゥを見ていた。

未「えっとね・・・今のはね・・・・」

未夢がどうにかごまかそうとあたふたしていると、今度は・・・・

ワンニャー(以下ワ「彷徨さん、未夢さん。ルゥちゃまがこちらに来ませんでしたか?・・・・ってルゥちゃまー!」

ワンニャーは質問をしたのだが彷徨に抱えられているルゥを見つけ号泣し始めた。

彷・未「「(もう無理だー)」」

未夢が彷徨に目線を送ると彷徨は、仕方なさそうに首を縦に振った。

彷「悪ぃんだけど、ちょっと家んちに入ってくれないか?」
未「このことについてちゃんと説明するから」

彷徨と未夢が紅たちに向かってそう言うと、ワンニャー2人の後ろから顔を出し

ワ「彷徨さん、未夢さんさっきから誰と話しているんですk・・・・・・・あっぁぁぁぁぁ!!!」

ワンニャーはやっと状況をつかんだらしく硬直してしまった。

「分かった。行くぞ
「うん」

は、彷徨たちについていき家の中へと向かった。



未「・・・・・っというわけなの・・・・」

未夢と彷徨・ワンニャーは、どうしてルゥが飛んでいたのか、ワンニャーがいるのかを全て説明した。

「そうか。だからルゥくんは飛べるのか」
「ワンニャーって有能なんだ。すげぇ・・・・・・」
未「そ、それだけ?」

未夢たちは少し驚いていた。
質問攻めにあうのではないかと思っていたのに対し2人は質問はしてこなかったのだ。

彷「お願いがあんだけど。この事は黙っておいてくれないか?」
「なぁ。それって俺達を信用してくれたから話してくれたんだよな?」
彷「まぁな。信用できないやつだったりしたら、どう見てもおかしいかったりバレバレでも本当のことは話す気はないからな」
・・・・」

にまた目線を送り目を合わした。
しかし、今度はは首を横に振らず、縦に振った。

「さっき彷徨さん、なんで俺らあそこいたんだ?って聞いたよな?」
彷「あぁ」
「そのこと俺らもちゃんと話すよ」
未「さっきは言いずらそうだったけど。いきなりどうして?」
「さっき俺、信用してくれてるか確認しただろ?俺らこれから説明するけど信用してもらってたりしないと、話しづらくなっちゃててさ」
「俺達は、昨日の夜。あそこに捨てられたんだ」
 「「「 !? 」」」

未夢たちは驚いた顔をした。そしてさっきまでのんきに浮いていたルゥでさえ何かを感じたのかワンニャーの元へと降りてきた。

「俺達は、普通の人と比べたら不思議なところが多くてさ、まず俺らの母さんはいきなり子供を・・・・俺らを身籠もったんだ。そして生まれた俺達は、不思議な力をもっていた」
未「不思議な力?」
「これなんだ」

は膝の上に置いていた手を未夢たちの前へとだした。
そして・・・・・・・

 ( ボワッ )  ( ビビッ )

は、手の平から炎を、は、小さい雷のようなものを出したのだ。

未「す、すごーい」
彷「まさか、お前たちも宇宙人なのか?」
「いや、俺達は地球人だ」
「話し戻すな。母さんは突然子供が出来たり、俺達が不思議な力を持っていたから周りからも親族からも気味がわられたんだ。」
「でも、母さんは一応一生懸命育ててくれたんだ」
未「いいお母さんじゃない」
「そうでもないんだ。母さんは名前は付けてくれたけどいつも俺達の事は、お前とかで呼んでて、何か命令するときしか話さなくて、ただ餌をやって育てているって感じだったんだ」
「何回も俺達を捨てようとしたこも今までにもあるんだ。そん時は警察官とかに見つかっていつも家に戻ってた」
「今回のは夜に母さんが誰かと電話で、今度こそ戻ってこないようにって言うのを話してるのを聞いててさ」
「それに引っ越しとかの電話とかもしてたな」
「だな。まぁ寝てる間にここに連れて来られたんだと思うんだ。気づいたらここにいたからな」
「だから、なかなか自分たち以外の人を信用する事とかも出来なくてさ」
「ただ、怖かっただけかもしんないけどな」

がだいたいの事をすべて話すと、全員沈黙してしまった。
すると、は顔を見合わせ、笑いながら

「別に彷徨さん達が気にすることないって」
「そうそう、俺達もなんか捨てられて良かったとも感じてんだ」

と言った。

未「どうして・・・?どうして笑っていられるの?たしかにそれで良いのかもしれないけど、   怒りたいなら怒ってもいいし、悲しいなら泣いてもいいんだよ?・・・・・・・・・・・・   無理して笑わなくてもいいんだよ?」
彷「・・・・未夢・・」

未夢は目に涙をためそう言った。
彷徨はそれを心配そうに見ている。

「母さんを憎んでも、何も変わらないから」
未「えっ?」
「俺達やっぱりすごく母さんを憎んだりしたことがあったんだ。でもそんな事をしても何も変わらないし、
憎んでもただつらくなるだけだったから・・・・・・・・・」

はまた笑いながら言った。しかしそれは悲しそうな・・・・つらそうな顔にも見える。

彷「そうか・・・・・・・・・とにかく自分達がしたいことをすればいいんじゃないのか?」

彷徨がそう言うと、

「「・・・笑っていたい・・・・・・・何もかも忘れて違う生き方を・・・・」」

2人は声を合わせてそう小さく言った。

彷「は、家族が欲しいか?」
未「・・・・彷徨?」
「そうだな、俺にはがいるけど、他にも頼れる、信頼する事が出来る人がいたらいいな」
「だよな」
彷「お前らさ、ここに住まないか?」
「「「「  はぁ!?  」」」」(彷徨、ルゥ以外
ワ「いきなりどうしたんですか?彷徨さん」
彷「今の話を聞いてると、紅たち住むとこないんだろ?それにここだったら安心できるんじゃねーか?」
未「そうだね。一緒に住もうよ」
「いいのか・・?」
彷「あぁ。いいぞ」
「ホントのホントにいいのか?」
未「うん。いいんだよ」
「「・・それじゃ・・・・これからヨロシクおねがいしますっ!!」」

はさっきとは全く逆の嬉しそうな顔をした。

未「なんか、兄妹が増えたみたいで嬉しいよー」
ワ「家族は何人いてもいいものですからね」
彷「そうだな」
ル「きゃーいw」


こうして、は、新しい家族を手に入れる事ができたのでした。
普通の家とはさらに違う何が起こるかわからないここ、西遠寺。
これからいったい何があるのでしょうか?

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