彼らが求める物・・・  3 

たまにはつかなきゃいけない優しい嘘がある



未「あっ、ねぇ彷徨。みんなにはなんて言うの?」
彷「何がだ?」
未「くんとくんのことよ」
彷「あぁ。そのまま教えるってわけにはいかないからな」
「えっ。何で?」
未「くんたちは、その能力のことあまり知られたくないでしょ?」
「まぁ。また周りから避けられたら嫌だからな」
「だな」
彷「それじゃ、理由考えないとな」
未「んー・・・・」

彷徨たちは、が何故、西遠寺にいるのかを言える、理由を考え出した。
ちなみにワンニャーは「やらなくてはいけない事がありますので」と言い働き始め、ルゥはそれについて行ったため、この部屋には、彷徨・未夢・の4人が居る。


4人が5分程度無言で悩んでいると、突然

みかん(以下み「何やってんの〜?」

庭からみかんが現れた。

未「み、みかんさん!」
彷「いつからそこに?」
み「つい2,3秒くらい前よ。そこの双子くんたちは?」
彷「えっとですね・・・・・」
「初めまして。 です。」
 です。詳しくは中で話すんで、玄関からどうぞー」
み「初めましてー山村みかんでーす。分かったわ」

みかんはその場を離れ玄関へと歩いて行った。

彷「おい、。話すってどうすんだよ」

未夢も、ウンウンと相槌をうっている。 は目を合わせると、ニカッと笑い。

「「まぁまぁ。任せとけって」」

と自信ありげに言った。
するとみかんがタイミングぐよく今度はちゃんと玄関から入ってきた。

み「ねぇねぇ。もしかしてネタになる?それ」
「ネタ?(みかんの頭にあるみかんを見ながら」
未「みかんさんは、漫画家なの。だからいつもネタをさがしてるのよ」
「へぇー(同じく頭のみかんを見ている」
彷「。あれは気にするな」

彷徨は2人の見ている物が何か分かったらしくそう言った。

み「じゃあー。2人が西遠寺に来てるのはどうして?遊びにでも来たの?」
「いや、違うんです。」
「俺ら、今日からここに居候させてもらうんです」
み「えっ。何で何でー?」

みかんはいつものネタ帳を準備した。

「話すと長いんですがいいですか?」
み「いいわよ。というか詳しい方がわかりやすいしね」
「実は、俺達の母親が突然蒸発しちゃって、父はずいぶん前に母と離婚してどこに居るか分からず、
おまけに親戚とは一回もあったことも無くて、連絡するところが無かったというか分からなかったんです。」
「俺ら小さいときからいつも公園のベンチでぼーっと座っててたんですよ。そしたらある日ある男の人が俺らに声をかけてくれたんです。
それがここのお坊さんの宝晶さんだったんです。他の人達は、誰も声なんてかけてくれなかったんですごく嬉しくて、すぐに宝晶さんが大好きになったんです。
それからもよく公園であったりしたら話したりとかもしてたんです。それを近所の人たちもみんなよく知ってたらしくて」
「近所の人達は俺らの母親が蒸発した事を知ってたらしくて、その中の1人が宝晶さんと知り合いだったらしくて、宝晶さんに電話して相談してくれたんです。
そしたら、『わしはいないが、息子と預かってる子がおるから、西遠寺にいていいぞ?』って言ってくれたんです。」
「それで、ここに居候させてもらう事に」

みかんは今の事をすべてメモしたのかネタ帳をしまった。

み「そっかぁ〜。大変だったわね。このことは書かない方がいいかしら?」
「別に、ネタにしてもらってもいいですよ?」
み「本当!?(目キラキラ」
「「うおっ。いいですよ?」」
み「ありがとう。それじゃさっそく使わせてもらうわね。あっそだ。これからヨロシクね。」
「「こちらこそ」」
み「この2人も優しいし面白いからここでの生活楽しみなさいよ。それじゃーね」

みかんは立ち上がると、そう言い残して帰って行った。

未「ふぅー。あぶなかったー」
彷「それにしてもよくあの短時間で思いついたな」
「半分ずつだったからそんな考えなかったぞ。なぁ?」
「だな」
彷「お前ら打ち合わせでもしてたのかよ」
「いや、全然」
未「すっごーい。双子の力みたいな感じ?」
「そう言うことにしとく」
彷「とにかくこれから、説明するときはそれで行くぞ。未夢、お前いつものドジして変な事言うなよ?」
未「言わないわよ!ってか何であたしだけ何ですかな、彷徨さん?」
彷「そんなドジすんのはお前くらいだからだよ」
未「なんですとー!あたしがいつそんなドジしたのよー?」
彷「いつもやってんじゃん。さて、なんか飲むかな」

彷徨は立ち上がり台所へと向かった。

未「逃げるなー。待ちなさーい」

未夢もすぐ後を追って台所へと行ってしまった。

「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「あの2人仲良すぎ・・・・・絶対両想いだろ」
もそう思ったか?だよなー」
「2人の邪魔しないように心がけよ・・・・・」
「だな・・・・・・」

こうしてがまた人との恐怖を感じないための優しい嘘が出来上がった。

「2人の仲を決して邪魔する事なかれ。いいな?」
「おう。でもあの様子からだとお互いに相手の気持ち知らないだろな」
「そだな。それじゃ、もう1個。   自分たちから気持ちに気づくように無理に分からせようとする事なかれ。どうだ?」
「そんじゃ。それで決定」
未「くーん、くーん。2人もこっちにおいでよ」
「「今行くー」」

そして、の間である決まり事ができたのあった。


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