眠る姫



午後2時、屯所にて・・・・・

( ドンドン )

土方は局長室を訪れた。

土方「近藤さん、俺だ」
近藤「あぁ、トシか、入れ」
土方「コレ、こないだの報告書だ」
近藤「おう、ごくろう」

そう言うと、土方は報告書を近藤へと渡し、腰をおろした。

土方「はぁ〜・・・・」
近藤「どうしたんだ?ため息なんかついて、幸せが逃げちまうぞ」
土方「それがよ、こないだ入隊したやつがいるだろ?」
近藤「ん?あぁ、のことか、あいつがどうした?」

とは、1週間前に真選組に入隊した女隊士のことだ。

土方「あいつ、一回寝るとなかなか起きなくてよ朝も一応体は起きているみたいなんだが、
   頭は起きてないみたいでよ、日中あんま仕事が出来てないんだ」
近藤「あぁ、それで担当じゃないやつが見回りに行ってたりしたのか」
土方「一応、そのあと代わりにやってくれたやつの、仕事したりして、落とし前はつけるんだが、
   さすがに一回も見回りしたことないのは、ヤバイだろ?」
近藤「っじゃあ、トシが起こしてやればいいんじゃないか?」
土方「それは、今日ためしたよ」

そうなのだ、土方は今日、を起こしてみようとしたのだ。
しかし、いつもと変わらず、全然声が聞こえていなく、今回も見回りに行っていないのだ。

近藤「そうか、トシでもダメなのか。明日は俺が行くか?」
土方「近藤さんは、優し過ぎるから、無理だろ」
近藤「そ、そうか」
?「そうですぜィ、近藤さんじゃ無理でさァ」

(( !? ))

土方「なっ、オイ総悟、いつから居た!?」
沖田「近藤さん、さっきの話なんですが」
土方「オイ、無視すんな!!」
近藤「まあまあ、トシ、んでさっきの話がどうした?総悟」

すると、沖田も近藤の近くに腰をおろした。

沖田「へい、明日は俺が、を起こしやすかィ?」
近藤「たしかに、総悟なら起こせるかもしれんな」
土方「ただたんに見回りしてねぇのが許せないだけだろ?」
沖田「おっ、マヨラーのくせによく分かりやしたねィ。
   俺は、真面目にやってるのにあいつはやってねぇのはズルイじゃないですかィ」
土方「マヨラーを馬鹿にすんじゃねぇー!!ってかおまえがいつ真面目にやったんだよ」
沖田「やってるじゃねぇーですかィ、土方コノヤローを抹殺するついでに」

土方は、立ち上がり刀を構えた。

土方「良い度胸じゃねぇーか、表でろ!!」
近藤「まあまあ、落ち着けトシ、んじゃ、明日は頼んだぞ」
沖田「へい、まかしてくだせィ」


翌日の早朝 の部屋にて・・

「zzzZ・・・・」
沖田「、起きてやすかィ?って起きてるわけねぇーか」

 ( ガラガラ )

沖田は、そう言っての部屋へと入った。
そして、が寝ている布団の隣へと腰をおろした。

「zzZ・・・・」
沖田「ホントに、起きないねェ、まるで、呪いかなんかで眠りについてるお姫様じゃねぇーかィ」

そう言うと、沖田は、良いこと思いついたとでもいうように、にやりとした。
そして、の顔覗くかのような行動をしたと思うと・・・・・

 ( ちゅっ )

なんと、そのまま、の唇へと短いキスをしたのだ。

 ( ぱちっ )

すると、絶対にこんな時間に起きるはずのないが目を開けたのだ。
もちろん、もうキスは、していないとはいえ、沖田の顔は、の目の前にあった。

「・・・・・・・沖田隊長なんでこんなに顔近いんですか?」
沖田「あぁ、それは今、俺がおまえにキスしたからでィ」

沖田はサラッと、自分がキスをしたことを、明かした。
しかも、いつもとかわらない表情で。

「・・・・・・なっ!?えぇぇぇ!?/////」
は、最初呆然としていたが、いきなり叫びだし、顔を真っ赤に染めた。

沖田「やっぱり、目覚めないお姫様には、王子様のキスが一番だねィ」

沖田は、の行動に、満足そうにしながら、そう言った。

沖田「明日から、また起きなかったら同じ事するぜィ」
「おおお起きます、起きます、どんなことしてでも絶対起きます/////!!」

が、そう宣言すると、沖田は立ち上がった。

沖田「それじゃ、俺は先に食堂行きやすんでっ」

そして、の部屋を出ようとすると、

「あ、あの沖田隊長、このことは他の人に言わないでくださいよ/////」

すると、沖田は、黒い笑みを浮かべて、

沖田「んじゃ、俺と土方抹殺計画を一緒にやってくれるなら、言いませんぜィ」
「えっ・・・・《副長、怒ると怖いんだよな、それでなくても瞳孔開いてんのに、
  でも、沖田隊長の方が怖そうだし・・・・しょうがない》
  わかりました。一緒にやります。なんで絶対言わないでくださいよ?」
沖田「わかりやした、んじゃ、これから、土方潰し隊ってことでヨロシクっ」

 (  ガラガラ )

そう言うと沖田は、の部屋を出ていった。


翌日から、はちゃんと起きるようになり、しっかりと自分の仕事をするようになりました。

土方「オイ、総悟、おまえどうやって、起こしたんだ?」
沖田「土方さんになんて教えやせんぜィ、絶対。」
  《しないと、土方を殺るのに、が協力してくれやせんからねィ》
土方「おまえっ、なんか恐ろしい事考えてるだろ」
沖田「別に、誰も、土方さんを特大のマヨネーズのチューブに入れて窒息死させようなんて
   考えてないですぜィ」
土方「考えてんじゃねぇーかぁーーー!!!」

こうして、土方が狙われる確率も高くなったのでした。