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操り人形 後
操り人形 後
( ダッタッタッ )
土方「・・はぁ・・はぁ・・・・」
達のいる小屋へと土方はたどりついた。
土方《ここであってるよな・・・》
「ーー!!いるなら返事しろォォォ!!・・・・!?」
土方がそう叫ぶと小屋の中から樟が現れた。
土方「おまえは、攘夷浪士か?をどこにやった」
樟「あなたの探している人はここですよ」
そう言うとが樟の後ろから前へと現れた。
土方「ッ!」
土方は叫んだところで、一つ気になることがあった・・・・
土方「が、縛られてるわけでもねぇってことは、俺を呼び出すためにさらったようじゃねぇな」
樟「あなたを呼ぶ事も目的ですが、をさらった一番の理由は違いますからね」
土方「ほぉ。その理由とやらを聞かせてもらおうか」
樟「私のものにするのが目的ですよ」
土方「!?どういう意味だ?」
樟「簡単に言うと私の操り人形にしたんですよ」
土方「んなこと出来るわけねぇーだろ」
樟「では、体験して理解してもらいますかね。、さっきの命令を実行しなさい」
「分かったよ」
はそう返事をするとゆっくりとさらに土方の前と歩いていった。
そして、刀を抜き土方へと向けた。
土方「オイッ!!?」
「行くよ。トシ・・・」
は一気に土方に近寄り刀を振り下ろした。
( ザンッ )
土方「チッ」
だが土方はそれを簡単に避けた。
土方《こいつ、本気だ。いったいどうなってんだ》
( ザンッ ブァンッ ザッ )
は次々にと攻撃をしてきている。
( カキンッ )
土方はの刀を自分の刀で受け止めた。
土方「オイッ!!てめぇどうしたんだ!!」
「何って・・トシを殺そうとしてるんだよ」
土方「だからなんでんなことしようとしてんだよ!!」
「命令だから・・・・さっき樟が操り人形にしたって言ったよね?」
土方「あぁ、そうだな」
2人は刀を交えながら話し続けた。
「あれは、感情が無いってことを言ってるんだよ。正しくは無くしたかな」
土方「そんなことどうやって」
「心滅術って知ってる?」
土方「あぁ、前に調べたことがある」
「アイツはそれを使えるの。あたしはその術をかけられた。
だから今のあたしには感情が無いし、術者に従わないといけない」
土方「まじかよ・・・・クソッ」
「あたしは、本気でトシを殺そうとするからね」
土方「心配してんのか?それは感情があるんじゃねぇか?」
「ううん。これは忠告だから感情は関係ない」
( カキンッ )
土方はを跳ね返した。
土方「そうか。だが俺はおまえの戦い方は知っている。お前の方が不利だぞ?」
「そんなのかまわない。とにかくトシを殺るだけだから」
はまた攻撃を始めた。
こんどは土方も避けるだけではなく攻撃をしながら。
その状況は軽く数十分は続いていた。
樟「、何故あなたはそいつ殺せないのですか?」
「そんなにもそいつを愛しているのですか?」
「人形になっても私のものになってくれないのなら・・・・・・私は・・・・あなたを・・・・殺します」
樟は、戦っている2人には聞こえないような声でそう呟くと自分の刀を抜き、駆けだした。
( ガキンィッ )
土方「お前の体力はそろそろ限界なんじゃねぇか?」
「どうだろね。感情が分からなくなったら他も分からなくなってきた」
土方「そうかよ、でも顔は辛そうだぜ?」
「へぇー・・・・・っ!?トシッ!!」
( ダンッ )
は突然土方を突き飛ばした。
土方「お前いきなり何し・・・・・なっ!?」
土方は起きあがると同時にを見た。
しかし、そこには血まみれになり倒れていくの姿があった。
そして、側には樟が血まみれの刀を持って立っていた。
は土方との戦闘中に土方の後ろから樟がとてつもない殺気をだし刀を振り下ろすのに気付いたのだ。
そして、とっさに土方の身代わりとなったのだった。
「トシ・・・・・」
樟「無理に術を解いたのですね。しかしすべてあなたが悪いのですよ」
樟は、刀をしまいながらに告げた。
そしてその瞬間だった。
( ブシャァァァッ )
樟「なっ・・・・・・」
土方は樟が隙を見せた瞬間に一気に刀を振り下ろし斬った。
樟が倒れたのを確認するとの元へと駆け寄った。
土方「オイ!!!!」
「・・・・・・・・」
土方「ったく・・・何やってんだよ・・・・」
土方は血まみれとなっているを抱き寄せた。
そして数秒後、バタバタと大量の足音が響いた。
近藤「トシッ!!ちゃん!!無事か!?」
土方「近藤さん?・・・・」
近藤「悪いな。攘夷浪士たちに足止めされていて遅れちまった。ほら、急いで病院に行くぞ」
そう言うと、近藤は周りの隊士たちに攘夷浪士達の片づけなどを的確に指示し、2人をパトカーへと連れて行った。
2人が病院に運ばれてから2日後・・・・
( コンコン )
近藤「入るぞ」
ここは土方の病室、近藤は見舞いに来ていた。
土方自身は大した怪我ではないと言ったのだが実際はかなりの怪我をしていたため土方も入院をしていた。
土方「近藤さんか、もう俺は退院してもいいだろう?」
近藤「もう少し休んで、今までの疲れもとっといたらどうだ?」
近藤は少し笑いながらそう言った。
そして、少し間をおき真剣な表情に変えた。
近藤「の事だが、無事目が覚めたよ」
土方「そうか」
近藤「なんだがな、あいつ無理に術を解いたせいで記憶を失ってんだよ」
土方「!?本当か、近藤さん!!」
近藤「あぁ、医師は何かのきっかけや自然に記憶が戻る可能性があると言っているんだがな」
土方「・・・そうか。ありがとよ近藤さん。あと言っとくが俺は今日中に退院するからな」
近藤「トシ・・・・」
近藤はこれ以上は何も言わずに部屋をあとにした。
土方《もうこんな事を起こさせねぇためにも離れた方がいいな・・・・・》
土方はがこんな状況になってしまったのは自分が無力だったせいだと受け取り、そう決意をした。
( ギシッ )
土方はまたベットに倒れ込み、天井を眺めていた。
すると、二人目の訪問者が現れた。
沖田「土方さーん、死んでやすかィ?」
土方「どこに死んでるか確認しに来るやつがいんだよ!!」
沖田「チッ、生きていやがった」
土方「チッじゃねぇよ!!」
沖田「それより、面会者ですぜィ?」
土方「面会者って誰・・・・・」
土方はおもわず固まってしまった。
そこにいたのはだったのだ。
土方「お前、なんでここに・・・」
沖田「自分や周りの人の事を話して欲しいって言われて、土方さんのことを話したら会いたいって言い出したんでさァ」
「総悟君この人が土方さん?」
沖田「そうですぜィ」
は土方のいるベットへと近寄ってきた。
「あの、すいませんでした」
は突然頭をさげ土方に謝った。
土方「はぁ・・・別にお前のせいじゃねぇし謝んな。謝んなきゃいけねぇのは俺の方だ。悪かったな」
「土方さんこそ謝らないでくださいよ」
がそう言うとしばし沈黙が流れた。
沖田「、他にも言わなきゃいけねぇ事あんじゃなかったかィ?」
「あ、私これからも真選組隊士を続けるのでよろしくお願いします」
土方「お前まだ、続けるつもりなのか?」
「はい、この道は私が選んだ道ですから」
土方「そうか、まぁがんばれよ」
「はいッ!あ、あと土方さん」
土方「何だ?」
「私、土方さんの事何て呼んでたんですか?なんかこの呼び方だと変な感じするんですよね」
土方は少し驚いた。
まさか、記憶が無いはずなのに違和感を感じているとは思わなかったからだ。
土方「お前は、俺の事をトシと呼んでいた、それにタメだったんだよ」
「じゃぁ、またトシって呼んでいいですか?あとタメで」
土方「別にかまわねぇよ」
「これからもよろしくッ!トシッ!!」
土方「あぁ」
それから、は土方と沖田に真選組についてなどさまざまな質問をして自分の病室へと帰って行った。
沖田も続いて屯所へと帰っていった。
《なんだろ、トシといるとすごく楽しい。私はトシとどんな風に過ごしてたのかな?
はやくみんなとの、トシとの記憶思い出したい・・・・》
は病室までの廊下をそんな事を考えながら歩いていった・・・・・・・