400HIT記念  新たな決意



『だったら一緒にこねぇーか?』

雨が降っているなか、傘も差さずに両親の墓の前で立っていた少年に向かって、
そう男は言った。

 (  ぱちっ )

《・・・夢か》

は、布団から体を起こした。

《にしても、あの日の夢を見るなんて久しぶりだな・・・・・》

彼の名は、
親は攘夷戦争で亡くなり、その後高杉に拾われ今は鬼兵隊にいる。
さっきの光景はそのときのものだ。
は布団から出て、支度をすると部屋を出た。

また子「あっ、おはようっス!!
「おはよう、また子姉」
武市「おはようございます。
「おはようございます。武市先輩」

が長い廊下を歩いていると、また子と武市が声をかけてきた。
は、鬼兵隊の中で1番年下のため呼び捨てであまり呼ばない。
さっきの様に姉・兄・さん・先輩をつけて呼んでいる。

《そういえば、ここに来てもう2年になるのか・・・・》

 ( にゅっ )

「のわっ!?」

いきなり、また子がの顔を覗き込んだ。

また子「ぼーっとして、どうしたっス?」
「びっくりした・・・・・いやさ、僕がここに来てもう2年になるなーと思ってさ」
武市「そういえばそうですね」
また子「始めてここに来た時は、晋助様の後ろに隠れてたっスよねww」
「そりゃーぁ、知らない人ばっかだったし・・・」
また子「でも、今じゃ、みんなの弟分っス」
「僕もみんなのこと、仲間だけど、家族とも思ってるさ」
武市「今日は忙しいですからね。頑張りましょう」
「そうだな。あっ僕朝飯喰いに行こうとしてたんだった。んじゃ後で」

は、2人にそういうと、食堂へと向かった。
朝ご飯を渡されると、は空いている席を見つけさっそく食べ始めた。

万斉「おっ、うまそうでござるな」
「万兄、おはよ」
万斉「おはようでござる」

万斉は、の隣に座り、食事を開始した。

「今日のやつ上手くいくといいなっ」
万斉「そうでござるね。でも最近真選組が嗅ぎつけるのが早くなっているでござる」
「へぇー、ってか真選組っていまいちどんなやつか知んないんだけど・・・・」
万斉「しかたないであろう。はまだ会ったことがないでござるからな」
「僕は、そんなに攘夷活動してないからね、それに強くないし、子供だし」
万斉「は、前よりだいぶ強くなったでござるよ」
「全然まだまだだと僕は、思うけどなー」
万斉「そういえば、晋助が後で来るようにと言っていたでござるよ」
「あっ、そなの?んじゃ行って来るか。ごちそうさまでした」
万斉「相変わらず、食べるの早いでござるな・・・・・」
「成長期だからな、んじゃね、万兄」

は、食器を下げると、高杉がいる部屋へと向かった。

《やっぱ、今日のことについてだろーな》

今日は、お正月だということもあり、神社に人が集まっている、もちろんあの将軍様も・・。
ということで、今日は江戸の神社で攘夷活動を行うこととなっているのだ。

 ( コンコン )

「晋兄ぃー、居る?僕、だけど」
高杉「あぁ、いるぜェ、入れ」

 ( ギィーィ バタン )

「晋兄、今日のことについてか?」
高杉「あぁ、そうだ。おまえ今日は俺と一緒に行動しろ」
「えっあ、了解っ。でもなんで?」
高杉「やっぱ、将軍様もいるからな、真選組が警備してんだ。
   おまえ、真選組がいるとこでやんの初めてだろ?」
「おっ、じゃ初真選組見れんだ。お手並み拝見だな」
高杉「いざとなったら、おまえも戦えよ?まぁ、無理しない程度にな」
「おう、足でまといになんないようにがんばるさ」
高杉「まぁ、大丈夫だろうけどな」
「あっそだ。なぁ晋兄、今度また稽古してくれねぇー?」
高杉「暇があったらな。行く準備しとけよ」
「へーい。んじゃ」

 ( ギィーィ バタン )

《へぇー、真選組に会えるのか。楽しみだな》

は、武器などの攘夷活動の準備を始めた。



高杉「そいじゃ、行くとするか」
「「「「「おぉーーーーっ」」」」」
高杉「万斉、来島、武市そっちは頼んだぞ」
武市「了解です」
万斉「任せるでござる」
また子「晋助様も気をつけてっス、がんばるっスよ」
「ありがと、また子姉。みんな気をつけて」

一斉に、グループごとに分かれていった。

高杉「行くぞ、
「おう」

鬼兵隊が散ってからまもなく・・・・・

 ( ドカン  ド、ドカーン  )

そこら中から爆発音が聞こえてきた。

《・・・始まった。》

真選組が将軍を守り連れだして、行っていた。
何人かは、戦っている。

「晋兄、将軍逃げたぞ」
高杉「チッ、逃したか」

 ( ザッ )

 (( バッ ))

砂を踏んだような音がした方向に、高杉とが振り返ると・・・・

沖田「高杉だな」
土方「神妙にお縄につけぇぇぇ」

真選組    副長 土方十四郎
    一番隊隊長  沖田総悟
                 が現れていた。

高杉「おっと、副長さんと隊長さんのお出ましだ」
「あれが、噂の・・・・・」
高杉「悪いが捕まる気はねぇーんだ。そこをどけ」
土方「はい、どうぞって通すわけねぇーだろ」
沖田「そこのガキ、見ない顔だな」
「あれ?もしかして僕気づかれてなかった?」
高杉「さぁな」
土方「高杉と一緒にいるって事は、おまえも攘夷浪士だな」
「なぁ、晋兄。コレって僕、自己紹介したほうがいいのかな?」
高杉「どっちでも良いんじゃねぇーのか。まぁ初対面ってこともあるしな、
   名乗っておいたらどうだ?」
「んじゃそうする。僕は、   
  あんたがさっき言ってた様に、攘夷浪士だ。」
沖田「あんたが俺らから逃げられれば、覚えておいてやるぜィ」
土方「まぁ、無理だけどな」
高杉「そんなこと出来るに決まってるだろ。暴れるぞ、
「がんばりまーす」

 ( ガキィィィンッ )

刀同士がぶつかりあった。
高杉は、土方と、
は、沖田と戦い始めた。

 ( ガキィンッ  ガッ  シャッ )

刃がぶつかりあったり、体に向けて振り下ろされたりしている。

高杉「おいっ、。気抜くんじゃねぇーぞ」
土方「テメェ。自分のことを心配したらどうだ」
沖田「あんた、意外に強いねィ」
「おっ、まじでか。でもあんたも強いね」

そんな事を言いながら戦っているときだった・・・・

 ( チュンッチュンッ )

土方・沖田「「!?」」
また子「晋助様ー、ー大丈夫ッスか?」
「あっ、また子姉ー」

また子と武市が現れ、また子が、土方と沖田の足下を打ったのだ。

高杉「引くぞっ」
「おう」
土方「まちやがれ( チュンッ )チッ」
また子が、銃で追いかけられないようにしたため、高杉たちは上手くその場を去った。



《真選組もなかなかやるな。あっ名前覚えてくれたかな?》

万斉「2人とも怪我は無いでござるか?」
高杉「あぁ、大丈夫だ」
「僕も大丈夫」
万斉「、真選組はどうだったでござるか?」
「意外にやるね。晋兄、僕ちゃんと出来てたか?」
高杉「あぁ、おまえは強くなってるよ」
「そうか、でももっと強く、自分の身も守れて、仲間の身も守れるくらい強くなりたい」
高杉「今度稽古付けてやるよ。そのかわり俺たちに心配させねぇーくらい強くなれ」
「あぁ、がんばるよ」
 《絶対に強くなって、大切な仲間、家族を守れるようになって
  この世界をかえてやる》